2020年11月18日水曜日

Atem miniでスイッチング生配信レビュー

舞台の生配信で覚えておいたほうが良いこと



スイッチャー担当として舞台の生配信をしてきました。
普段は撮影した映像を編集して納品していますが、生配信は当然その場で映像を切り替えなければなりません。

映像撮影はしてきたけど本格的な生配信はこれからという方のためにメモしておきます。

確認!スイッチャーに音声アウトはありますか?

スイッチャーに音声アウトがないと、音声きっかけのスイッチングができません。
撮影場所から生音が聞こえない場所でスイッチングしているならばなおさら音声アウトからヘッドフォンで撮影場所の音声を拾う必要があります。

残念ながらATEMminiには音声アウトがありません。

でも、Atem miniにはHDMI outがあるので、音声出力付きのモニターに出力してそのモニターからヘッドフォンをつなげて音声モニターが可能です。

モニターは必要か?

多くの場合、モニターは必要です。スイッチング前にこれからスイッチングする画面がどのような常態か?を確認できないとスイッチングした瞬間に思いも寄らない映像が映ってしまうリスクがあります。
但し、Atem mini にはマルチモニター機能がありません。Atem mini シリーズであれば、Atem mini pro以上のスペックを用意しましょう。

HDMI出力したモニター画面が分割されて、1,2,3,4chのすべての映像が確認取れます。
これは必須でした。

接続するビデオカメラはどんなもの?

民生機のビデオカメラの場合は、殆どの場合がモニターにタッチパネルが表示されますが、HDMI出力した場合、そのタッチパネルの入った映像がそのまま出力されてしまいます。
生配信した場合、かなり邪魔です。
メーカーに寄っては「なにかのモード」で消えるケースがあります。
ちなみにSonyのビデオカメラは消す手段がありませんでした。
これは、おそらくこのような使い方を想定していないためです。また、このように生配信(生放送)専用のビデオカメラはプロ仕様のため、民生機にそのような機能が備わることで、プロ仕様のビデオカメラの売上が落ちてしまうことも懸念してのことでしょう。

ビデオカメラで配信する場合はタッチパネルが映らないケースが多いCanonがおすすめです。

だいぶ前の機材ですが、Canon iVisHF-G20

このカメラの場合は「デコレーションモード」というものを選択することで配信される画面からタッチパネルがすべて消えました。
その他、iVisシリーズのHF-Rシリーズのビデオカメラも使用しましたが、こちらは初期設定でタッチパネルは出力されませんでした。

いずれもすべてのビデオカメラを試していないので、Canonなら絶対に大丈夫ということはありません。
どうしても、タッチパネルの映り込みが嫌であり、予算的に民生機のカメラしか使えない場合は、OBSとウェブカメラを使うほかないでしょう。

HDMIケーブルの長さは?

離れた場所の3元中継など、長いHDMIケーブルが必要になることもあると思います。
長いHDMIケーブルでしっかりスイッチャーまで映像データが届くのか?

結論を先に申し上げると、15m以上はギャンブルです。
映らないケースがあります。HDMIケーブルで長いものであれば絶対に安いものは避けるべきです。

余裕を持って長いものを買っておこうというのは控えるべきです。必要最低限の長さで準備することをおすすめします。

どうしても長さが必要であれば、あえてブースター電源付きの中継コネクターを入れてそこから電力を送ります。

これを使ってなんとか15mと15mをつなげて映像データを受け取ることができました。
私はできましたが、なにかの条件が崩れるともしかしたら、30m以上はギャンブルです。

カメラ側の出力がmini HDMIの場合

カメラ側の出力がmini HDMIの場合は、変換プラグを使いがちですが、先っぽだけの変換はおすすめしません。

これでは、HDMIケーブルの重みで外れてしまうリスクとコネクタの破損になりかねません。
はじめから形状がminiHDMIのケーブルと接続コネクターを使用することをおすすめします。

先日、映らなかった接続。

Atem mini Pro – 15mHDMI-接続コネクター(電源ブースター付き)- 15mHDMI – 変換プラグ – ビデオカメラ

この変換プラグの部分をmini HDMIケーブルの1mのものに差し替えて、電源ブースターなしの接続コネクターを使用したところ、結果的に1mのびてしまったのですが、映像データを受け取ることができました。

先っぽだけの変換コネクターで安いものはそれだけで1~2mのケーブルよりも抵抗が大きいようです。

これで芝居の生配信は無事に終わることができました。

とにかく機材に関しては安いものは避けるべきです。
HDMIケーブルも、Atem mini もPro以上を、モニターも音声出力機能があるものを用意してください。

是非、みなさんもご参考にしてみてください。

0 件のコメント:

コメントを投稿

既存の動画ファイルをツイキャスでOBSを使って配信する方法 トラブル回避方法

 久しぶりにOBSの配信依頼がくるとどうやっていたか?を忘れてしまいます。 今回も既存の動画ファイルを生配信するという案件です。 設定するところまでは、前回の記事を参照して進めてみます。 既存の動画ファイルをツイキャスで流す方法 今回つまずいたところは、以下の4点です。 動画ファ...